タイトル・ロゴ - Title Logo


About - - - パントマイム←→マイム? -- 呼び方について

言葉は結構ややこしい

このサイトでは、「パントマイム」、「マイム」という2つの表記を使用しています。

日本の世間一般で「通り」がいい言葉は圧倒的に「パントマイム」です。一方、関係者の間では「マイム」が使われます。僕自身文章を書いていて、気が付くと「パントマイム」でなく、「マイム」と書いていることがよくあります。もっとも関係者の場合、どうしても「パントマイム」というのがまだるっこしくて「マイム」に縮めてしまうのが真相でしょうけれど。

使われている層が違うせいか、「パントマイム」と呼ぶのと「マイム」と呼ぶのとではニュアンスが多少異なってきているように感じられます。大きな違いではありません。「マイム」といった方が多少玄人に聞こえるとか、そんな程度です。
ただし、個人的にマイム仲間などと話していると、「マイム」の方がより演劇的なニュアンスを持っているようにも感じています。欧米では演劇の基礎訓練の一つとしてmimeという項目があったりするので、そこから僕の頭の中で発展したのだと思います。一方「パントマイム」というと、道化芝居や「壁」などのテクニックを主に指すように(悪く言えば、素人さん向けな)ニュアンスをほのかに感じます(あくまで個人的に)。

この辺は個々人で認識が違っていて、「パントマイムは無言で演じる演劇形式、マイムは演劇の基礎となる無対象の演技を指す」てな人もいれば、「パントマイムとかマイムとか区別してないよ」とか、「あんまり詳しくない人にはパントマイム、ちょっと知ってる人にはマイムを使ってる」てな人もいるようです。・・・こう言っちゃおしまいですが「人それぞれ」で、日本語ではあまり厳密に区別されていないのがやはり実状ですね。

僕自身は、根が無精なこともあって、ほとんどの場合「マイム」と言ってすませています。ただしこのサイトでは、「いきなりマイムとか言われても・・」という方にも読んでもらいたいわけで、より一般的な「パントマイム」をなるべく多く使用しています。
今後、ほかのページで「マイム」という表記が現れた場合は、特に断りがない限り「パントマイム」と同義と考えてください。

・・・どうも理屈っぽくなったな。


英語では

英語では、パントマイムやマイムは、"pantomime", "mime"と、つづります。
古代ギリシャ語の、"panto"(すべてを)と "mimos"(模倣する、真似る)が語源です。

"pantomime" と "mime" では用法が異なります。前者は「パントマイム」という舞台表現/舞台手法を指すことが多く、後者は舞台表現/舞台手法を指すだけでなく「マイムを演じる人」を指すときに使われることがよくあります。

この「"pantomime/mime"をする人」の英語が間違えやすく、"pantomime" なら "pantomimist" と、"-ist"を付け、"mime" の場合は、上にも記したように、変化なしの "mime" (たまに"mimer")とします。

ただし、手元の書籍やWWWなどを見た限りでは、英語(ことにU.S.)では "mime" だけでパフォーマーを指すことは徐々に少なくなってきているようで、"mime actor/actress", "mime artist" などの表現を多く見かけます。


舞台表現/舞台手法の意味で使う場合も、"pantomime" と "mime" ではニュアンスが異なります。
"pantomime" は、日本語でいうパントマイムやクラシカルな無言劇を指す場合もありますが、イギリスを中心としたヨーロッパで主にクリスマス・シーズンに行われる道化芝居(あるいはその発展形のショーなど)を指すことも多々あります(特にイギリスではこの用例がよく見られます)。この道化芝居は、日本でいう「パントマイム」とはだいぶ様相が異なります。
"mime" は、より近代的な、演劇の基本としての身体表現の技術(あるいはそれを使った舞台表現)を指すことが多くなっているようです。

−−

ところで、日本でよく表記されている「パントマイマー」というのは、英語では言いません。ギターを弾く人を「ギタラー」と言わないのと同じですね。日本ではなし崩し的に「パントマイマー」が使われ、もう和製英語と言っていいかもしれませんが。 でも、なるべくなら「パントマイミスト」と言うようにしておくと、いざというとき恥をかかずにすむかもしれません ("いざというとき" てのが、どういう状況かと訊かれると困ってしまいますが)。

一方、「マイマー」というのは、上にもちょっと書いていますが、英語としては完全に正しいです。 では、「マイミスト」はどうかというと、英語では言わないようです。これは、語呂がよいもんで、ときどき僕は口にしてしまうのですが・・・。
んー、ややこしい。




< about page index
main >>
technique >
resource >
etc >